シミの種類別に原因を解説!気になる対策法や皮膚がんとの見分け方もご紹介

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シミの種類別に原因を解説!気になる対策法や皮膚がんとの見分け方もご紹介

シミといっても、さまざまなタイプがあります。肌にできてしまった気になるシミは、どの種類のシミなのでしょうか。そこで今回は、シミが発生する原因やメカニズムをシミの種類ごとに解説します。対策法や皮膚がんとの見分け方も合わせて紹介するので、ぜひ参考にご覧ください。

この記事の監修

杉田淳 先生

Dクリニック 新宿院

杉田 淳

2016年3月 岩手医科大学医学部卒業
2018年4月 東邦大学医療センター大森病院(研修医として勤務)
2020年4月 獨協医科大学埼玉医療センター 入職
2022年1月 Dクリニック新宿院 入職

皮膚科、膠原病内科を主体に東邦大学での研修を経た後、獨協医科大学埼玉医療センター皮膚科、同関連病院、クリニックにて皮膚疾患をはじめ、円形脱毛症やAGA患者様の診療に従事しました。 患者様のお悩み、ご不安に心から寄り添い、気持ちを共有することを心掛けております。何卒、宜しくお願い申し上げます。

sec.1 シミとは?

シミは、メラニンが様々な原因で皮膚内に蓄積・沈着することで発生します。一般的に、痛みやかゆみの症状はありませんが、肌の一部が地肌よりも暗い色に見えたり、肌に色むらができることから、見た目への影響で悩む人が多い傾向にあります。

その原因は多岐にわたり、原因によって種類もいくつかに分かれています。

sec.2 【シミの種類①】日光黒子(にっこうこくし)

見た目の特徴 淡褐色~濃褐色で形はさまざま
発生しやすい部位 顔や体の露出部分
発生しやすい年齢・性別 40代以降の男女

多くのシミがこのタイプで、老人性色素斑とも呼ばれます。顔だけでなく、背中や手など肌を露出する部分に出やすく、色が均一で濃い、境目がはっきりした見た目が特徴です。大きさは数ミリから数センチにわたり、個人差があります。

日光黒子が発生する原因

主な原因は紫外線による肌ダメージの蓄積です。メラノサイト(色素細胞)は、紫外線から身を守るために黒色メラニンを生成します。黒色メラニンは通常、肌のターンオーバーによって垢として排出されます。しかし、過度の紫外線暴露により多量のメラニンが産出されたり、加齢により肌代謝の機能が低下すると肌に残り、シミになってしまうのです。
一般的に、中年以降に増えるタイプのシミですが、日常的に日焼けをしていると10代でも発生することがあります。

sec.3 【シミの種類②】ソバカス

見た目の特徴 茶褐色で直径数ミリ以下の丸い斑点
発生しやすい部位 頬や鼻の周り
発生しやすい年齢・性別 幼少期~思春期の男女

雀卵斑(じゃくらんはん)とも呼ばれ、色白の人にできやすい傾向があります。ほぼ均一な大きさの小さな斑点が、鼻や頬など左右対称に分布するのが特徴です。

ソバカスが発生する原因

遺伝的にメラニンの生成を促進させるような素因を持っていることが原因と考えられています。紫外線などの刺激により、メラニンの生成が活性化されることで発生します。

sec.4 【シミの種類③】炎症後色素沈着

見た目の特徴 褐色、範囲は炎症の度合いによって異なる
発生しやすい部位 関係なし
発生しやすい年齢・性別 関係なし

虫刺されやニキビ、傷などで炎症を起こした後にできるシミで、時間の経過とともに徐々に薄くなることが多いのが特徴です。年齢・性別・部位に関わらずできます。大部分が黄色人種である日本人は黒色メラニンが多いため、このシミが目立ちやすいとされています。

炎症後色素沈着が発生する原因・メカニズム

ニキビ・カミソリ痕・虫刺され・かぶれ・湿疹・やけどなどによって、メラノサイトが活性化されると、黒色メラニンが大量に生成されます。メラニンの排出ペースが生成されるペースに追いつかず、色素沈着がシミとなって現れます。

sec.5 【シミの種類④】肝斑(かんぱん)

見た目の特徴 淡い褐色で輪郭不明瞭、比較的広範囲
発生しやすい部位 頬骨に沿って左右対称
発生しやすい年齢・性別 30~50代の女性

頬骨の高い位置に左右対称にできるシミです。30代後半から50歳くらいまでに発生しやすい傾向がありますが、男性では1割程度とまれです。淡い褐色で輪郭ははっきりせず、広範囲にわたることもあります。

肝斑が発生する原因・メカニズム

慢性的な紫外線の影響や、女性ホルモンが影響して発症するとされています。特に女性は、妊娠中や更年期に入り女性ホルモンが乱れることでメラノサイトが活性化し、メラニンを生成することで起こりやすくなります。

sec.6 シミの予防・対策法4選

・紫外線対策をする
・肌を十分に保湿する
・抗酸化作用のある食品をとる

どの種類のシミでも、効果的な対策法はほとんど変わりません。放置するとイボ化、かさぶた化してしまう恐れもあるため、早めの対策を心がけましょう。

紫外線対策をする

日光黒子はもちろん、そばかすや肝斑なども紫外線によって悪化します。まずは日焼け止め・帽子・サングラスなどで、肌にあたる紫外線を防ぎましょう。紫外線は春先から夏にかけて特に強くなりますが、基本的にそれ以外の季節でも1年中降りそそいでいます。外出する時はもちろん、部屋の中にいる間も日焼け止めを塗り、数時間置きに塗りなおすようにしましょう。日常的に日光を浴びすぎないよう心掛けることが大切です。

肌を十分に保湿する

肌が乾燥すると、肌のバリア機能が低下しターンオーバーが乱れてしまいます。刺激を与えないようたっぷり泡立てた洗顔料で優しく洗い、洗顔後は乾燥させないように、すぐに保湿をしましょう。化粧水でうるおいを与えた後は、水分の蒸発を防ぐため、乳液やクリームでしっかり肌に蓋をするまでをセットで行います。

抗酸化作用のある食品をとる

栄養素 食品
ビタミンA 緑黄色野菜
(レバー・うなぎ・プロセスチーズなど)
ビタミンC 野菜・果物類
(アセロラ・ブロッコリー・キウイなど)
ビタミンE ナッツや魚類
(アーモンド・ごま・カツオ・マグロなど)

紫外線や喫煙、ストレスなどによって体内で活性酸素が発生し、その量が増えすぎると肌が「酸化」され、メラニンの生成につながります。肌の酸化を防ぐには抗酸化作用のあるビタミンA、C、Eを含む食品を積極的に摂るとよいでしょう。

sec.7 こんな症状は注意!シミによく似た皮膚がんの見分け方

左右非対称
正常な皮膚との境界部分があいまい
色が不均一
直径7㎜以上
大きさや厚みが変化

紫外線による肌ダメージから発生するシミは、場合によっては皮膚がんにまで発展するケースがあります。ただのシミと考えず、上記が当てはまらないかどうかチェックしてみましょう。4つ以上当てはまる場合には注意が必要です。
市販の薬で消えないシミや赤みなど、心配な症状が出たら放置せず、すぐに皮膚科へ行き、専門医の診断を仰ぎましょう

sec.8 シミの原因を知り、紫外線対策をしよう!

シミの種類や原因、対策方法についてご紹介しました。紫外線や加齢、遺伝などが原因で発生するシミですが、その対策方法はシンプルです。紫外線対策、保湿ケア、食事管理を意識しながら、少しずつシミができにくい肌を作っていきましょう。

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