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AGA治療薬の副作用で勃起不全になる可能性は?

最終更新日:

この記事の監修
Dクリニック東京 院長 小山 太郎

Ⅾクリニック東京 院長

医学博士

小山 太郎 (こやま たろう)

Dクリニックロゴ

sec.1 AGA治療薬の副作用で勃起不全になる可能性は?

AGA治療薬の副作用で勃起不全になる可能性は?

AGAの男性の中には、薬の副作用である勃起不全が心配で治療開始を躊躇している人もいるでしょう。
しかしAGA治療薬を使用したすべての人に勃起不全が起こるわけではありません。
今回の記事では、DクリニックでAGA・薄毛治療を行う小山太郎医師に、AGA治療薬によって勃起不全が起こるメカニズムや発症する頻度、その対策などをお聞きしました。

<<<記事のポイント>>>
☑AGA治療薬は3種類ある
☑男性ホルモンの代謝に影響を及ぼす薬剤で勃起不全が起こりうる
☑AGA治療薬の副作用で勃起不全が起こる確率は高くはない!
☑勃起不全が起こってもAGA治療薬の服用を中止すれば改善する

sec.2 まずはAGA治療薬、3種類のそれぞれの発毛メカニズムを理解しよう

現在国内で使用されているAGA治療薬は3種類ありますが、すべての薬剤に勃起不全の副作用があるわけではありません。
勃起不全が起こる可能性がある薬剤と、そうでない薬剤があるのです。
勃起不全の副作用について間違った知識を持たないためにも、まずは3種類のAGA治療薬について、その発毛メカニズムを理解しましょう。

<AGA治療薬の種類>

① ミノキシジル外用薬
ヘアサイクルの司令塔である毛乳頭細胞に作用して、発毛シグナルを促進することで発毛を実現させるAGA治療薬。
市販薬にはミノキシジル5%配合と1%配合の外用薬があり、薬局で購入できます。

② フィナステリド内服薬
AGAの原因となるジヒドロテストステロン(男性ホルモンの一種)の産生を抑制することで、薄毛の進行を遅らせるとともに発毛を促すAGA治療薬。
内服薬として使用します。先発品の「プロペシア(MSD株式会社の商品)」が長らくもちいられてきましたが、現在はジェネリック(後発品)も複数存在します。
処方には医師の診察が必要です。

③ デュタステリド内服薬
フィナステリドと同様に、ジヒドロテストステロンの産生を抑制することで、AGAの進行を遅らせるとともに発毛を促す治療薬。
先発品の「ザガーロ(GSK株式会社の商品)」が長らくもちいられてきましたが、現在はジェネリック(後発品)も複数存在します。こちらも処方には医師の診察が必要です。

勃起不全の副作用が懸念されるのは、男性ホルモンの代謝に影響を及ぼす②フィナステリド内服薬と③デュタステリド内服薬です。
①ミノキシジル外用薬は、男性ホルモンの代謝に影響を及ぼさずに発毛を導く薬剤ですので勃起不全の副作用はありません。

sec.3 フィナステリド、デュタステリドによって勃起不全が起こるメカニズム

フィナステリド、デュタステリドによって勃起不全が起こるメカニズム

フィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬は男性ホルモンの代謝に影響を及ぼす為、一部の男性で勃起不全が起こる場合があります。
以下、詳しく説明します。

男性の精巣では「テストステロン」という男性ホルモンが作られています。
テストステロンは性欲や勃起といった性機能の維持、筋肉の維持、脂肪の燃焼、血管機能の維持など様々な働きを担っています。テストステロンの一部は5-α還元酵素によって「ジヒドロテストステロン」という、別の男性ホルモンに変換されます。ジヒドロテストステロンはテストステロンに比べて量は圧倒的に少ないですが、その作用が非常に強くAGAの進行や前立腺の肥大などを引き起こす男性ホルモンであることがわかっています。

テストステロンをジヒドロテストステロンに変換する5-α還元酵素、これを阻害する薬剤がフィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬です。5-α還元酵素を阻害することで、テストステロンからジヒドロテストステロンへの代謝が抑えられ、AGAの原因であるジヒドロテストステロンを減少させて、AGAの進行を抑えるのです。フィナステリドであれば血液中のジヒドロテストステロン、頭皮のジヒドロテストステロンが60%減少すると報告されています。
5-α還元酵素にはⅠ型とⅡ型の2種類があります。
フィナステリド内服薬はⅡ型の5-α還元酵素を阻害する薬剤です。
デュタステリド内服薬はⅠ型とⅡ型の双方の5-α還元酵素を阻害する薬剤です。 フィナステリド内服薬とデュタステリド内服薬は男性ホルモンの代謝に影響を及ぼし、ジヒドロテストステロンという強力な男性ホルモンを抑える(=減らす)薬ですから、服用することで一部の男性では勃起不全や性欲減退といった性機能関連の副作用が起こる場合があるのです。

sec.4 フィナステリド、デュタステリドで勃起不全が起こる確率は1~3%程度

フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬を使用した場合、副作用で勃起不全が起こる頻度は3%程度です。
論文によって数字にばらつきがあり、例えばフィナステリド内服薬の日本での臨床試験では勃起不全の頻度はわずか0.7%となっています。
治療中の患者さんから、「以前に比べて勃起時の硬さが低下した、勃起の持続時間が短くなった」という訴えを聞くことがあります。ただし、「全く勃起しなくなった」という患者さんには滅多に遭遇しません。
勃起についての副作用頻度は低いし、その多くは軽度の勃起低下というのが個人的な実感です。

sec.5 勃起不全が起こった場合の対処法

勃起不全が起こった場合の対処法


万が一フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬によって勃起不全が起こった場合は、以下のような対応が考えられます。

1:原因となっている薬の内服を中止する
まず内服を中止して様子をみます。フィナステリド内服薬やデュタステリド内服薬が原因で勃起不全が起こっているのであれば、内服を中止すれば勃起は改善します。
中止しても戻らないということは原則ありません。

2:薬の用量を減らす
「内服を中止して勃起は改善したけれど、やはり薄毛治療を再開したい」という人は、それまで内服していた薬よりも、用量の低いものに変えてみましょう。

フィナステリドは0.2mgと1mgの2種類が、デュタステリドには0.1㎎と0.5㎎の2種類があります。
用量の多い方を内服していた人であれば、再開にあたっては用量の少ない製剤に変えてみることを提案します。
またデュタステリはフィナステリドよりも若干、勃起不全の発生頻度が高いという報告があるので、デュタステリドを内服していて勃起不全を経験した場合は、フィナステリドに切り替えてみることを提案します。 いずれの場合も医師に相談してみましょう。

3:様子を見ながらそのまま内服を続ける
軽度の勃起低下であれば、発毛治療を優先してフィナステリドやデュタステリドの内服を中止せずに治療を続ける人もいるでしょう。
勃起低下を長期間放置した場合、血管の機能が低下し、後になって薬の内服を中止しても勃起が充分に改善しない可能性があるので注意しましょう。

sec.6 まとめ

AGA治療薬には外用薬のミノキシジル、内服薬のフィナステリド、デュタステリドがありますが、このうち副作用で勃起不全が起こりうるのはフィナステリド、デュタステリドです。
どちらの薬剤も勃起不全の発生頻度は数パーセントで、飲んだ人みんなで勃起が低下するわけではありません。
万が一勃起不全になっても、その時点で薬を中止すれば勃起は改善することがほとんどです。
AGA治療の開始前から勃起の事を過度に心配する必要はないでしょう。
まずは勇気を出してAGA治療を始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修
Dクリニック東京 院長 小山 太郎

Ⅾクリニック東京 院長

医学博士

小山 太郎 (こやま たろう)

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2001年慶應義塾大学医学部卒。
慶應義塾大学形成外科を経て2009年にDクリニック東京(旧 城西クリニック)に入職。
以来、AGA(薄毛)の診療実績を積み上げてきた。
診療の傍ら毛髪の研究に取り組んでおり、常に最新の知見に基づいた診療を心がけている。
2021年よりDクリニック新宿院長に就任、日本臨床毛髪学会評議員、
日本メンズヘルス医学会幹事なども務めている。

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