最終更新日:
眠気を覚ます覚醒効果やさまざまな健康効果があるとされ、近年は消費量もどんどん増えているコーヒーですが、コーヒーの飲みすぎは白髪の増加につながる可能性があります。特にコーヒーと白髪の関係性で注目されているのは、コーヒーをドリップすることで自然に発生する「過酸化水素」です。今回は、なぜコーヒーの飲みすぎで白髪が増える可能性があるのか、コーヒーの適量はどのくらいかについてご紹介します。
白髪は代表的な老化現象のひとつであり、個人差もありますが、年を取るごとに自然に増えるものだと捉えることができます。しかし、なんらかの理由で白髪が増える時期が早まり、20代や30代の前半で若白髪になってしまう可能性もゼロではありません。白髪自体に健康的な被害はないとしても、十分に年を取る前であれば、できれば白髪は生えてこないようにしたいところです。
白髪を増やす原因としてあげられているもののひとつが、「過酸化水素」です。化学式は「H2O2」で、水の化学式である「H2O」とよく似ているように、酵素などの働きで分解されると水を放出します。過酸化水素自体は広い分野で使われているものであり、例えば過酸化水素の水溶液は漂白剤やヘアカラー剤などに使われています。
過酸化水素は体内でも微量に生成されるもので、コーヒーをはじめ、食品に含まれていることもあります。2009年に発表されたアメリカの研究によると、この過酸化水素が黒い髪の毛を白髪にする原因物質のひとつだということです。
過酸化水素は漂白剤やヘアカラー剤にも使われていることから分かるとおり、色を脱色させる作用があります。例えばヘアカラー剤では、過酸化水素の含有量は製品によって変わりますが、過酸化水素などの成分の作用によりメラニン色素を脱色してから新たな色素を浸透させています。メラニン色素は髪の毛の黒色を作る色素で、ヘアカラー剤ではカラーを浸透させるためのスペースを作るためにメラニン色素の脱色を行います。
老化による白髪化では、毛包で作られた髪の毛にメラニン色素が浸透するプロセスが妨げられます。髪の毛は最初から黒いのではなく、作られたばかりは白色で、そこにメラニン色素が入って黒髪が作られるのです。ここでメラニン色素を作る役割を果たすのが、チロシナーゼと呼ばれる酵素です。なお、チロシナーゼは全身の皮膚にも存在しており、シミや日焼けを引き起こすため、日焼け止めや美容品にはチロシナーゼの活性を抑えるアプローチが取られているものもあります。
肌においては厄介者でも髪の毛においては必要なチロシナーゼですが、チロシナーゼは過酸化水素の影響を受けると酵素としての働きがなくなってしまうのです。若いときはチロシナーゼを過酸化水素から守る別の酵素や、過酸化水素を水に分解する酵素があるため黒髪を維持できます。ただし年を取ると、若いころも毛包の中で微量に作られていた過酸化水素の量が増え、酵素の働きでは追いつかなくなってチロシナーゼの活性がなくなっていきます。そしてチロシナーゼがメラニン色素を作れなくなり、白髪が増えていくのです。
過酸化水素は殺菌性を持つことから、食品添加物として使用すること自体は認められています。しかし、動物実験により弱い発がん性を持つことが明らかになったことから、一度使用したら食品として提供される前に完全に除去しなければならないと定められました。そのため、通常は食品から過酸化水素を摂取することはないのですが、例外的に食品の中で自然発生することがあります。過酸化水素を自然発生させる食品の代表例が、コーヒーなのです。
コーヒーの原料となる生のコーヒー豆からは過酸化水素は検出されません。しかし、コーヒー豆を焙煎して茶色~黒色の商品として販売される状態になると、過酸化水素が検出されるようになります。また、コーヒー豆を挽いて粉にし、コーヒー液を抽出すると、さらに多くの過酸化水素が検出されます。完全に除去しなければならないと法律で規制されているのは、殺菌のために一度人為的に添加した過酸化水素なので、自然に発生した過酸化水素に関しては含まれません。コーヒーに関しては「豆を挽いてコーヒー液を抽出する」作業は家庭でも行われるものなので、食品メーカー側がどうこうすることはできないといえます。つまり、コーヒーを飲めば飲むほど、自然発生した過酸化水素を体の中に取り入れることになるのです。
コーヒーの他に液として抽出することで過酸化水素を自然発生させる食品には、紅茶やウーロン茶があげられます。特に過酸化水素の量が多いのはコーヒーですが、抽出の条件によっては紅茶やウーロン茶のほうが多くなることもあります。さらには保存しておくことによっても過酸化水素の量は増えることが分かっており、抽出や保存による過酸化水素の増加量は条件により大きく変化します。これは、空気に触れること、温度が上がること、太陽光を受けることなどさまざまな原因が絡み合っているためです。この特徴から、商品として販売されているコーヒーなども過酸化水素の量はまちまちです。
出典元|
食品衛生学雑誌、
千葉県衛研年報、
厚生労働省
このように、コーヒーは大量に飲むことでその分だけ過酸化水素も摂取してしまうことになります。若いうちは過酸化水素に対抗する酵素を持っているとしても、過酸化水素の量が増えれば酵素の働きにも限界があり、白髪の増加スピードが速くなる可能性があるのです。
上記のようにコーヒーをたくさん飲むことで白髪のリスクも増していくことになりますが、がんの発生を抑えるなど死亡リスクを減らすうれしい健康効果も多く報告されています。そのため、コーヒーを飲むこと自体は健康にとってよいものであると考えることができます。ただし、白髪増加の可能性を高めること以外にも、めまいや強い興奮、不安、震え、不眠、心拍数の増加、下痢、吐き気などの症状が現れることもあります。これらは刺激物であるカフェインの効果によるものです。
カフェインは興奮作用があるといわれています。そのメカニズムは、神経を鎮静させる物質「アデノシン」の働きを阻害するというものです。カフェインとアデノシンは非常によく似た物質であり、カフェインはアデノシンを押しのけてアデノシン受容体に取り付き、神経を興奮させます。コーヒーなどのカフェインを多く含む飲み物を大量に飲むことで神経が興奮し、さまざまな症状が現れる可能性が増すのです。
カフェインが健康に悪影響を及ぼすようになる量は個人差が大きいため、国内でも国際的にも、摂取量に明確な基準は設けられていません。ただし、世界の各機関が発表している目安を参考にすることができます。世界保健機構は2001年に、妊婦はコーヒーの摂取量を1日に3杯~4杯までに留めるように勧めています。また、カナダ保健省は2010年に、健康な成人であればマグカップ約3杯が目安だと発表しています。
出典元|
厚生労働省、
農林水産省
とはいえ、やはりカフェインの適切な摂取量は個人により差があるため、1日に3杯程度を目安としつつ上記のような症状が出た場合には減らすようにするのがよいでしょう。
インスタントコーヒーや家庭でも手軽に作れるドリップコーヒー、コンビニで買える淹れたてコーヒーなど楽しみ方が増え、健康にうれしい効果もあるコーヒーですが、白髪が増える可能性を増してしまうなどのうれしくない側面もあります。食後などに楽しむ程度ならよいですが、飲みすぎには注意したほうがよいといえます。コーヒーが好きな方は、「1日に3杯前後」などのように量を決めて楽しむのがおすすめです。
![]() |
![]() |
|
商品名 | スカルプD 薬用スカルプシャンプー& パックコンディショナーミニパウチ |
スカルプD 薬用スカルプシャンプー& パックコンディショナー |
---|---|---|
価格 | 1,650円(税込) | 8,200円(税込) |
使用期間目安 | 約14日分 | 約2ヶ月 ※1回2プッシュ |
受け取り | ポスト投函 | 宅配 |
化粧品、サプリメント、健康食品、専門医師監修によるクリニック専売品などのオリジナルエイジングケアプロダクツの研究開発及び製造・販売・卸業務
【毛髪診断士監修】Q 適切なシャンプー使用量と目安は?
最終更新日: 2025/03/04
シャンプーの使用量の目安や、適量でない場合に起こる可能性のある頭皮トラブルについて解説します。
CHECK
【毛髪診断士監修】スキンヘッドにする前に読んでほしいこと
最終更新日: 2025/03/04
スキンヘッドに向いている人の特徴や、スキンヘッドにするメリット・デメリットなどをご紹介いたします。
CHECK
【毛髪診断士監修】男性注目・マカの基礎知識&「マカを飲むとハゲるの?」の不安に結論
最終更新日: 2025/03/04
マカの基本情報や、マカを飲むとどのように薄毛に影響するのか、マカの成分を育毛に役立てられるかどうかを解説します。
CHECK
【毛髪診断士監修】髪の毛が伸びるのが早い人と遅い人の3つの違い
最終更新日: 2025/03/04
髪が伸びるメカニズムや、髪が伸びるのを早める方法についてご紹介します。
CHECK
【毛髪診断士監修】スカルプケアシャンプーとは?選び方や効果的な使用方法をご紹介
最終更新日: 2025/03/04
スカルプ(Scalp)とは、英語で「頭皮」を指す言葉。その名のとおり、まさに頭皮のためにつくられたシャンプーです。スカルプシャンプーがどんなもので、使うとどんなメリットが生まれるのか。これから詳しくご紹介します。
CHECK
【毛髪診断士監修】パサパサ髪は、シャンプーが原因? ツヤのある髪をつくるシャンプーとは?
最終更新日: 2025/03/04
「シャンプーを変えたら髪がパサパサになった」。果たしてシャンプーの何が悪いのか?どうしたらツヤのある髪をシャンプーで実現することができるのか?アンファースタッフが調査いたしました。
CHECK
【毛髪診断士監修】朝の新習慣。炭酸シャンプーでスッキリ爽やかな一日を
最終更新日: 2025/03/04
毎晩頭を洗っているけど、朝起きたら髪や枕がベタついている。頭皮もにおう気がして、周りの反応が気になる。その不安、当たっているかもしれません。気持ちよく一日をスタートしたいなら、“朝の炭酸シャンプー”がおすすめです。
CHECK
【毛髪診断士監修】髪の毛の生え替わり周期を知る!季節の抜け毛か脱毛症かチェック
最終更新日: 2025/03/04
髪の毛の生え変わりと脱毛症の違いを把握する方法や、抜け毛を抑える対策方法をご紹介します。
CHECK
【毛髪診断士監修】毛根が死滅したらアウト?髪の毛を復活させるために知るべきこと
最終更新日: 2025/03/04
毛根が死滅する原因や、髪の生えるメカニズム、毛根を復活させる方法を解説します。
CHECK
【毛髪診断士監修】毛根鞘まで抜くと快感・・・。これって病気か毛を抜きたくなる癖?
最終更新日: 2025/03/04
毛根鞘とはどういうものなのか、そして毛を抜いてしまうトリコチロマニア(抜毛症)について紹介します。
CHECK
白髪を減らすことはできる?
最終更新日: 2025/03/04
白髪を減らしたい!と悩んでいる方もいるでしょう。今回は、白髪が生えるメカニズムから、白髪を減らすための対策や食べ物についてご紹介します。白髪に良い食べ物やマッサージについても紹介するので、参考にしてみてください。
CHECK
白髪染めの正しい頻度とは?髪の負担を減らす染め方や、白髪を増やさないための対策も
最終更新日: 2025/03/04
白髪染めの頻度やダメージを減らす方法、白髪を増やさない方法を紹介します。
CHECK
飲みすぎ禁物!「コーヒー」と白髪の関係性
最終更新日: 2025/03/04
コーヒーの飲みすぎは白髪の増加につながる可能性があります。なぜコーヒーの飲みすぎで白髪が増える可能性があるのか、コーヒーの適量はどのくらいかについてご紹介します。
CHECK
毛先が白い人は要注意!髪のSOSサインは栄養補給のタイミング
最終更新日: 2025/03/04
指で擦ってもとれない、明らかに髪の毛が白くなっている状態であれば、それはワックスや汚れの付着ではなく髪が傷んでいるサインです。なぜこんな症状が起きるのか、どう対策すればいいのかを紹介します。
CHECK
【毛髪診断士監修】頭皮ケアに馬油がうってつけ!? 効果と使い方について
最終更新日: 2025/03/04
髪の毛、頭皮に潤いを与えるとして人気の馬油(ばーゆ)。馬油の特徴や馬油を使ったマッサージ方法、馬油がもつ効果について紹介します。
CHECK
髪の毛がガタガタしている…の悩みに!ガタつく原因と直毛にする方法
最終更新日: 2025/03/04
ガタガタの毛とはどんな状態か、なぜできるのか、直せるとしたらどんな方法があるのか、についてご説明しましょう。
CHECK
もうヘアクリームでベタつかない!綺麗に髪がまとまる正しい使い方
最終更新日: 2025/03/04
ヘアクリームの長所やヘアケア効果を知り、正しい使い方を覚えてヘアケアやスタイリングに使いこなしましょう。
CHECK
ぺったんこ前髪をどうにかしたい!前髪にボリュームをもたせる方法
最終更新日: 2025/03/04
せっかく時間をかけてていねいにセットしても、夕方には前髪が潰れてぺったんこになりがち。ふんわりと仕上げたはずの前髪がぺったんこになるのであれば、いくつかの原因が考えられます。
CHECK
アロエを使えば毛は生える? アロエが髪に良い3つの理由
最終更新日: 2025/03/04
アロエが頭皮の環境改善にもたらす3つの効果と正しい使用方法を覚えましょう。
CHECK
髪が細いのを改善したい! 男性の髪が細くなる4つの要因とは
最終更新日: 2025/03/04
「昔は細くなかったのに気づいたらだんだん細くなっていた」という人は、生活習慣やケア次第で改善できる可能性があります。 細くなった髪をハリのある髪に改善するための方法を紹介します。
CHECK
剛毛も、軟毛も…髪質を変える方法はある?
最終更新日: 2025/03/04
髪質別の対策方法や、それぞれに似合うヘアスタイルをご紹介します。
CHECK
髪のきしみはクエン酸リンスで治せる!簡単作り方と使い方
最終更新日: 2025/03/04
髪の毛や頭皮にやさしいシャンプー・リンス選びをしたい人は、石鹸系シャンプーやクエン酸リンスについて知っておきましょう。
CHECK
髪が細くなったら…!髪の太さを取り戻すために必要なのはコレ
最終更新日: 2025/03/04
気づいたら髪の毛のコシが失われて、昔の面影もないほど細く…という心当たりはありませんか?髪が細くなる原因を知り、髪を以前のように太く立派に育てるためのアクションを始めましょう。
CHECK
髪を柔らかくする方法を知りたい人男性必読!まずは髪質チェックから
最終更新日: 2025/03/04
髪質が人それぞれ違う理由や髪質に関する基礎知識とともに、硬い髪を柔らかくするためにできる工夫の数々をご紹介します。
CHECK