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薄毛を予防する方法は? 生活習慣の改善やシャンプーでケアできる?

最終更新日:

【毛髪診断士監修】薄毛を予防する方法は? 生活習慣の改善やシャンプーでケアできる?

「将来、薄毛で悩みたくない!」という方はもちろん「抜け毛が増えてきたかも…」という具体的な悩みがある方まで、とにかく気になるのが薄毛。薄毛を防ぐためには、まず原因を正しく知ることが大切です。今の自分の状態を知りたい方は、ぜひ危険な抜け毛&頭皮チェックを。薄毛が始まる前からできる生活習慣の見直しや、薄毛対策に効果的なシャンプーの選び方についてもお伝えします。

この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士 網野 伸哉

商品開発課 課長/毛髪診断士

網野 伸哉(あみの しんや)

成蹊大学経済学部卒業後、大手住宅メーカーに入社。2013年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDブランドの商品開発責任者として従事し、15代目スカルプDの商品リニューアルを担当。

sec.1 薄毛になる原因は?

私たちの髪の毛は、古い髪の毛が抜け落ち、また新しい髪の毛が生えてくるという周期(サイクル)を繰り返しており、これをヘアサイクルと呼んでいます。ヘアサイクルには成長期・退行期・休止期という3つの期間があり、休止期の後に脱毛し、また新しい髪の毛が生えて成長期へと続きます。

●成長期…毛根にある毛母細胞が髪の毛をどんどん製造して髪の毛が伸びる時期(2~6年)
●退行期…毛母細胞の動きが衰えてくる時期(2~3週間)
●休止期…毛母細胞の細胞分裂が止まる時期(3~4カ月)

通常は髪の毛の約90%が成長期であり、頭皮の表面から生えている状態です。しかし、このヘアサイクルが乱れると、本来2~6年であるはずの成長期が短くなってしまい、髪の毛が十分に育たないまま抜け落ちていくように。生えている本数も全体的に少なくなるため、薄毛につながってしまうのです。
ヘアサイクルを乱す原因には、加齢やストレス、ホルモンバランスの乱れ、誤ったヘアケアによる頭皮環境の悪化、よくない生活習慣、過度なダイエットによる栄養不足、そして病気などが挙げられます。また、これらの原因が複合的に起こす血行不良も、抜け毛を促進させ薄毛になる大きな原因です。

sec.2 こんな抜け毛や頭皮は、薄毛のサインかも?

まずは今抜けている髪の毛や頭皮の状態を見て、以下の5項目をチェックしてみてください。薄毛が進行している、またはしやすい状況にあるかどうかが分かります。

【危険な抜け毛&頭皮チェック】
✔ 抜け毛の本数が多い/増えてきた
✔ 抜けた毛の根本が、丸くふくらんでいない
✔ 抜け毛が短く、細く弱々しい
✔ 頭皮が薄く、硬くなってきた
✔ 頭の臭いが変わった気がする

それでは、詳しく解説していきましょう。

抜け毛の本数が多い/増えてきた
1日で自然に抜ける毛の本数は約100本程度。200本を超えると、異常脱毛の恐れがあります。また、本数がわからなくても、排水溝に溜まる毛/ドライヤーを使った時に抜ける毛/起床時に枕についている毛などが、以前と比べて増えている!と感じる場合も注意が必要です。
抜けた毛の根本が、丸くふくらんでいない
抜けた毛の根本(毛根)の部分を観察してみましょう。正常に寿命を迎えて抜けた毛の毛根は、丸くふくらんでいます。しかし、何らかの異常があって抜けた毛は、毛根が真っ直ぐだったり、白かったり、尖っていたり、白いしっぽのようなものがついていたりします。
抜け毛が短く、細く弱々しい
細く弱い毛が抜けるのは、ヘアサイクルが乱れ、髪の毛が十分に育たないまま抜け落ちている証拠です。
頭皮が薄く、硬くなってきた
髪の毛の製造工場である「毛根」は、頭皮の中にある脂肪層に根をおろしています。脂肪層が柔らかく厚みがあると、栄養が毛根に行き渡って毛髪がよく成長しますが、脂肪層が薄く硬くなると血行が悪くなるため、栄養が不足して毛髪も育ちにくくなります。頭を手で包むようにして指を当てて掴み、頭皮を前後左右に動かしてみましょう。スムーズに動かないようなら、頭皮が硬くなっています。また、日頃から頭痛や肩こりがある人も要注意です。
頭の臭いが変わった気がする
臭いの元は、頭皮に発生している「活性酸素」。何らかの理由で頭皮や額の皮脂分泌が活発になると、頭皮で「活性酸素」が過剰につくられるようになります。活性酸素が過剰に増えると頭皮に炎症を起こすようになり、炎症部分に集まってくるサイトカインと呼ばれる物質が、毛髪をつくる毛母細胞にダメージを与えてしまうのです。枕を嗅いでみて、以前と違う、または強い臭いを感じるようなら注意が必要です。自分で臭いがわからない場合は、ご家族などの意見を参考にしてみましょう。

上のような状態になると、薄毛が進行する確率はかなり高くなります。ただ、AGA(男性型脱毛症)などの病気が原因でない限り、正しい頭皮ケアや生活習慣の改善などの対策を行えば、ヘアサイクルを正常に戻すことが可能です。また、まだこのような悩みがない方は、早いうちからこのような対策を続けていれば、抜け毛を予防することができます。

sec.3 薄毛を防ぐ生活習慣とは?

薄毛にならないために心がけたいのは、「きちんと眠り、食べ、動くこと」。健康的な生活習慣は、健やかな髪を育てることにつながります。以下のようなことを、できる範囲で日頃から心がけてみましょう。

質の良い睡眠をとる
就寝中の深い睡眠(ノンレム睡眠)時には、髪の成長に必要な「成長ホルモン」が分泌されます。心も体もゆっくり休息するために、6~8時間は睡眠をとるようにしましょう。ぐっすりとよく眠るためには、夕方までに軽い運動をする/寝室の照明を暗くし室温を適切にする/入浴は就寝2~3時間前にすませる/就寝前のアルコールやカフェインを控えるなど、よく眠れる環境を整えることが大切です。
髪によい栄養素を充分にとる
髪をつくる成分であるたんぱく質、亜鉛・鉄などのミネラル類、ビタミンB群やビオチン、抗酸化成分を含むβカロテン、ビタミンC、ビタミンEなどが不足しないよう、バランスのよい食事を心がけましょう。また、肉類やお菓子などに多く含まれる脂質「飽和脂肪酸」は、とり過ぎると動脈硬化などで血流が悪くなるため、頭皮に栄養が行き渡らない状態になって抜け毛を誘発します。脂質をとる時は体に良い「不飽和脂肪酸」を含む魚類や植物油を多めにとるようにしましょう。
有酸素運動で血行促進
「有酸素運動」は、全身の筋肉を動かして酸素をたくさん摂り込む運動のこと。ウォーキング、ジョギング、水泳、自転車、筋肉トレーニングなどを週に3~5回、1日合計20分程度行うと、心臓から血液を送り出す機能が高まり、血流改善に効果的です。運動習慣は良い睡眠やストレスの解消にもつながるため、ぜひ意識して続けましょう。
できれば禁煙する
喫煙するとニコチンやタールなどの作用により、毛細血管が収縮して血行が悪くなるため、抜け毛を増やす大きな原因に。また、体内に活性酸素が生まれるため、活性酸素を除去するビタミンCなど、髪をつくるために必要な栄養素が体内からどんどん奪われていきます。
ストレスをためない
身体的・精神的なストレスがたまると、交感神経が緊張して血管が収縮し、血流が悪くなります。また、眠りが浅くなるため、成長ホルモンの分泌にも影響を及ぼします。上記のような運動・運動・食事を心がけたり、リラックスできる時間を持つことでストレスは解消しやすくなりますが、根を詰めると逆にストレスの原因になってしまうこともありますので、気持ちを楽に持って取り組むようにしてみましょう。

sec.4 シャンプーで抜け毛対策はできる?

抜け毛対策に大変有効なのが、毎日のシャンプーです。髪が生え続けるために必要な頭皮環境を整えてくれる有効成分が入っているものを選びましょう。また、シャンプー時の頭皮マッサージは、頭皮を柔らかくし、血行を促進するため、抜け毛防止に大きな効果があります。

「スカルプケア」のできるシャンプーを選ぶ
「スカルプケア」という名称のシャンプーは、名前のとおり頭皮(スカルプ)のことを考えて作られており、毛髪が生える土壌となる頭皮を健やかに保つ成分が入っています。
スカルプケアシャンプーについて詳しくはスカルプケアシャンプーって何? 使うとどんなメリットがある?をご覧ください。
薬用シャンプーで、頭皮環境を改善
薬用シャンプーとは、厚生労働省から「医薬部外品」の認可を受けているもので、「ふけ・かゆみを防ぐ 」「毛髪・頭皮の汗臭を防ぐ」「毛髪・頭皮を清浄にする」「毛髪・頭皮をすこやかに保つ(又は毛髪をしなやかにする)」のいずれかに有効だと認められた成分が配合されており、一般的なシャンプーより効果が期待できます。ふけ・かゆみを防ぐ成分(ex.ピロクトン、オラミンなど)や、肌荒れを防ぐ成分(成分名/グリチルリチン酸2K、アラントイン/サリチル酸など)などの有効成分が入っている薬用シャンプーを選ぶことで、頭皮環境をよりよい状態に整えることができます。
「アミノ酸系」の洗浄成分で、頭皮のうるおいを守る
実は、抜け毛の大きな原因のひとつが、「洗浄力の強すぎるシャンプー」を使っていること。洗浄力が強すぎるシャンプーは、汚れだけでなく、肌に必要なうるおい成分であるNMF(ナチュラルモイスチャーファクター)まで取り去ってしまうため、頭皮に少なからずダメージを与えます。市販のシャンプーに見られる主な洗浄成分には「せっけん系」「アミノ酸系」「高級アルコール系」の3つがありますが、使うべきなのは「アミノ酸系」のシャンプー。ほどよい洗浄力で頭皮に必要なうるおい(バリア機能)を残し、頭皮から有害な物質が入り込むのを防いでくれます。
アミノ酸系の界面活性剤は、脂肪酸+アミノ酸+アルカリ剤でつくられており、「ココイル(ヤシ油)~」「ラウロイル~」「ステアロイル~」「ミリストイル~」などの名称で始まります。シャンプーのHPや商品裏面にある成分表示などでチェックしてみましょう。
ノンシリコンシャンプーで頭皮トラブルを防ぐ
シリコンは、コーティング剤の一種。もともとはシャンプーの泡立ちを助け、洗髪後の髪をコーティングしてツヤや手触りを良くするために使われてきた成分です。しかし近年、このシリコンが頭皮に膜をつくり、毛穴を詰まらせたり、頭皮への栄養分の浸透をさまたげたりする可能性のあることがわかってきました。また、髪を一時的にコーティングしても、剥がれ落ちる時に髪のキューティクルが傷ついてしまうので、かえって髪を痛める原因になることもわかっています。「ノンシリコン」という表記があるシャンプーを選んで、頭皮の無駄なトラブルを防ぎましょう。シャンプー後の髪のきしみが気になる場合は、コンディショナーやトリートメントでうるおいを補ってください。
シャンプー時の頭皮マッサージを習慣に
頭皮マッサージには、頭皮を柔らかくし、血行を促進する効果があります。ただし、頭皮が濡れた状態で強くマッサージをすると、かえって頭皮を傷つけてしまいます。シャンプー前の頭皮を念入りにマッサージし、シャンプーを泡立てた状態で仕上げに軽くマッサージしましょう。頭皮マッサージと正しいシャンプー方法を覚えて、毎日の習慣にしてください。
シャンプーの選び方はこちら 頭皮タイプチェック

sec.5 まとめ

薄毛にならないためには、早いうちから対策に取り組むことが大切です。健康的な生活習慣を心がけながら、毎日のシャンプーで頭皮環境を整えて血行を促進し、髪が豊かに育つ正常なヘアサイクルを維持していきましょう。

この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士 網野 伸哉

商品開発課 課長/毛髪診断士

網野 伸哉(あみの しんや)

成蹊大学経済学部卒業後、大手住宅メーカーに入社。2013年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDブランドの商品開発責任者として従事し、15代目スカルプDの商品リニューアルを担当。

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