ノコギリヤシの効果や副作用とは？ノコギリヤシ服用時に注意すべきこと

ノコギリヤシとは北米南東部のヤシ科の植物で、ノコギリ状の葉を持つことが名前の由来です。ヨーロッパの一部の国では、前立腺肥大症の予防と改善に効果があるとして使用されています。
また、AGAの原因であるジヒドロテストロン（DHT）の生成を抑える作用があるといった研究もあり、薄毛（はげ）の予防になるのではないかと注目されているハーブです。さまざまな効果が期待できるノコギリヤシですが、いくつかの副作用も報告されています。安全にノコギリヤシを活用するためにも、どのような副作用があるのか確認しましょう。

AGA(男性型脱毛症)の治療薬であるプロペシアは、主成分がフィナステリドです。
このフィナステリドは、ノコギリヤシの成分をもとに研究されて作られた成分で、AGAの原因である5αリダクターゼという酵素を抑制する効果があります。

そしてプロペシアは、その発毛効果が注目される一方で、さまざまな副作用があることでも知られています。そのことから、ノコギリヤシのサプリメントにもプロペシアのような副作用があるのではないのかといった疑問が浮かぶ人もいるでしょう。そこで、プロペシアとノコギリヤシの副作用と注意点を比べてみたいと思います。

■ 妊娠中や授乳中の女性は摂取しない

ノコギリヤシもプロペシアと同じように、男性ホルモンのDHTを阻害するはたらきがあります。そのため妊娠中や授乳中にノコギリヤシを摂取すると、ホルモンバランスに影響を与えて男性胎児に悪影響に影響を与える可能性があるため、妊娠中や授乳中は摂取してはいけません。

■ ホルモンを調節するような治療をしている人は摂取しない

また、経口避妊薬を飲んでいる人やホルモン補充療法受けている人がノコギリヤシを摂取するのもいけません。ノコギリヤシガホルモンに作用して、薬や治療の効果に影響を与える恐れがあるためです。

■ 消化器疾患がある人や高血圧症の人は摂取しない

ノコギリヤシの主な副作用は吐き気・便秘・下痢・腹痛などの胃腸症状と、めまい・ふらつき・頭痛といった血圧に関連する症状などが報告されています。消化器疾患がある人や高血圧の人は症状を悪化させる可能性があるため、摂取を避けましょう。

■ 抗血小板薬や抗血液凝固薬を服用している人は摂取しない

ノコギリヤシには出血傾向を高める副作用があることも報告されています。出血傾向とは、一度出血すると血が止まりにくくなることです。

そのため、抗血小板薬(バイアスピリン、プラビックスなど)や抗血液凝固薬（ワルファリンなど）とノコギリヤシを併用すると、血液をかたまりにくくする薬の効果とノコギリヤシの出血傾向の副作用がかけ合わさるため、注意が必要です。

日本ではノコギリヤシの位置づけはあくまで健康食品であるため、明確な摂取量は決められていません。 国内で販売されているノコギリヤシのサプリメントのほとんどは320mg～340mgのノコギリヤシの成分が含まれています。 過剰に摂取すると、どのような副作用が起こるかわからないため、あくまでサプリメントに記載された用法用量にしたがって摂取しましょう。

また、ノコギリヤシのサプリメントは基本的にぬるま湯で飲むことがどのメーカーでも勧められています。 健康食品という位置づけから、ジュースと一緒に飲んでもかまわないと考える人もいるかもしれませんが、 基本的にメーカーは水もしくはぬるま湯と一緒に飲んだ時の場合を想定してます。その上で安全性を担保しているため、それにしたがって水やぬるま湯で飲みましょう。

ノコギリヤシとプロペシアには、ホルモンに作用する面で共通した副作用・注意点があります。 ノコギリヤシは日本では健康食品のジャンルで取り扱われていますが、海外では医薬品として使用されています。サプリメント利用において個人の判断での使用を避け、医師や薬剤師に相談しましょう。