発毛剤と育毛剤の違いとは?気になる効果や特徴・副作用について解説!

発毛剤と育毛剤の違いとは?気になる効果や特徴・副作用について解説!
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発毛剤や育毛剤を使ってみようと思っても、違いがよくわからずなかなか手を出せない男性は多くいます。発毛剤や育毛剤は違いを理解して使うことで、より効果を実感できるアイテムです。この記事では、発毛剤と育毛剤の違いだけでなく、選び方や使い方も解説します。安心して使用できるよう、副作用や注意点も紹介するので、ぜひ参考にしてください。
- この記事の監修

アンファー株式会社
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
2015年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDをはじめアンファー商品全体の商品開発責任者として従事し、現在は新規事業企画部門責任者も兼務。
目次
発毛剤と育毛剤の違い
発毛剤と育毛剤の違いは、目的から成分・効果までさまざまです。ここでは、まず両者の主な違いを簡単に説明し、成分や効果などについても詳しく解説していきます。
- 発毛剤と育毛剤の主な違い
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発毛剤と育毛剤の主な違いは以下のとおりです。
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発毛剤 育毛剤 分類 医薬品 ほとんどが医薬部外品 成分 ミノキシジル(発毛成分) 血行促進や抜け毛予防に効果的な成分 効果 毛母細胞を活性化する 頭皮の血行促進や頭皮環境の改善 目的 新たに毛髪を生やす 生えている毛髪のハリやコシの維持 - 発毛剤は「医薬品」、育毛剤はほとんどが「医薬部外品」です。医薬部外品とは、厚生労働省が認めた効果・効能に有効な成分が配合されている製品を指します。新たな毛髪を生やす成分は発毛剤にのみ配合で、育毛剤には配合されていません。
- 発毛剤と育毛剤の成分
- 発毛剤には、発毛効果がある「ミノキシジル」が配合されています。ミノキシジルは、細胞の増殖やタンパク質の合成を促進する成分です。
- 育毛剤には、以下のとおり「発毛促進成分」や「抜け毛予防成分」が含まれています。
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分類 成分の例 作用 発毛促進 アデノシン
ナイアシンアミド毛母細胞の活性化
血行促進抜け毛予防 ドクダミエキス
酸化亜鉛皮脂の抑制
炎症の防止 - 成分からも分かるように、発毛剤が新たに毛髪を生やすための医薬品なのに対し、育毛剤は抜け毛を予防し、今ある毛髪を健康に育てる製品です。
- 発毛剤と育毛剤の効果
- 発毛剤に含まれるミノキシジルは、毛髪の生成に関わる毛母細胞に直接作用し、細胞の増殖やタンパク質の合成を促すことで発毛効果が期待できます。
- 一方、育毛剤は新たな毛髪を生やす効果はありませんが、頭皮環境を整えるため、抜け毛の予防が期待できます。育毛剤に含まれる成分には、頭皮の炎症を抑制する効果や保湿効果があるからです。
- このように育毛剤と発毛剤ではそれぞれ効果が異なるため、毛髪を生やしたい場合は発毛剤、すでに生えている毛髪を育てたい場合は育毛剤を使うと良いでしょう。
- 発毛剤と育毛剤の効果が出るまでの期間
- 発毛剤の効果が出るまでには、ミノキシジルが5%含まれている製品の場合、1日2回の塗布で最低4ヶ月程度の使用が必要です。
- また、育毛剤の効果を実感するのに必要な期間は、一般的に「3ヶ月から6ヶ月」が目安とされています。毛髪にはサイクルがあり、新しい毛髪が生えるまでに早い方で3ヶ月、遅い方は6ヶ月ほどかかるからです。
- ただし、発毛剤、育毛剤ともに、効果を感じるまでの期間には個人差があります。上記はあくまで目安に過ぎないことも覚えておきましょう。
発毛剤と育毛剤のどちらを使うべき?
発毛剤と育毛剤の効果は理解したものの、結局どちらを使うべきか迷うこともあるでしょう。ここでは、発毛剤と育毛剤それぞれの使用に向いている方の特徴を紹介します。
- 発毛剤が向いている方の特徴
- 壮年性脱毛症(AGA)により頭頂部が薄くなったり、抜け毛が多くなってきたりした方は、発毛剤の使用がおすすめです。AGAは成人男性に特有の進行性脱毛症であり、額の生え際部分や頭頂部が薄くなるのが特徴です。毛髪は毛母細胞が分裂することで伸びるため、毛母細胞に直接作用し発毛を促進する発毛剤は、AGAによって抜け毛が増えることで生じた薄毛を改善する効果が期待できます。
- ただし、すでに薄毛の範囲が広く、発毛剤のみでは十分な効果が得られない場合は、薄毛治療専門のクリニックの受診を検討しましょう。
- 育毛剤が向いている方の特徴
- 薄毛は目立っていないものの、毛髪が細くなってきた方は育毛剤の使用がおすすめです。育毛剤には、毛髪が太く長く、より丈夫に育ちやすい頭皮環境を整える効果が期待できるからです。
- 他にも、頭皮が乾燥してカサカサしていたり、かゆみやフケがあったりする方も育毛剤を使用すると良いでしょう。これらの症状が出ている場合は、頭皮環境が悪化していると考えられるからです。保湿成分や炎症を抑える成分を含む育毛剤を使用することで、頭皮環境の改善と、乾燥やかゆみといった症状の緩和が期待できます。
発毛剤と育毛剤の選び方

発毛剤や育毛剤は種類が豊富であるため、どのような製品があるのか購入前に知っておくことが大切です。ここでは、発毛剤と育毛剤の選び方を具体的に紹介します。実際に選ぶ際の参考にしてください。
- 発毛剤の選び方
- 発毛剤を選ぶポイントは「ミノキシジルの濃度」です。市販されている発毛剤のミノキシジル濃度は1%と5%があります。
- 早めに効果を出したい方は、5%の製品を選ぶと良いでしょう。日本皮膚科学会のガイドラインでも、ミノキシジルを5%含む発毛剤の方が高い効果が期待できると示されています。
- ただし「発毛剤と育毛剤の効果が出るまでの期間」でも解説したように、発毛剤の効果が出るまでには最低でも4ヶ月以上使いつづけることが必要です。そのため、長い間無理なく続けられる価格の発毛剤を選ぶようにしましょう。
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参照元:
男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン 2017 年版|日本皮膚科学会
- 育毛剤の選び方
- 育毛剤は、頭皮ケア成分が配合された製品がおすすめです。頭皮ケア成分が頭皮環境を整え、薄毛の予防が期待できるからです。
- また、塗布のしやすさで選ぶのも良いでしょう。育毛剤は、出し口のタイプにより塗布のしやすさが異なります。
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出し口のタイプ 主な特徴 ノズル 狙った箇所にピンポイントで付けやすい エアゾール(スプレー) 毛量が多くても手軽に付けやすい スポイト 量が調節できるので、適量を使える - 育毛剤も効果が出るまでに時間がかかるため、長い間続けても金銭的に負担のかからない価格帯の製品を選ぶことが大切です。
発毛剤と育毛剤の使い方
自分に合う発毛剤や育毛剤を購入できても、使い方を理解していないと十分な効果は期待できません。ここでは、発毛剤と育毛剤の使い方ついて順番に解説していきます。
- 発毛剤の使い方
- ミノキシジルを含む発毛剤は、1日2回の塗布を最低でも4ヶ月以上続けて使用することで効果が期待できます。塗布のタイミングは、朝と夜に12時間空けて使用するのが良いでしょう。次の順序に沿って塗布するのがおすすめです。
- 発毛剤を塗布した後は、頭皮全体をマッサージしましょう。マッサージにより血行が促進され、薬剤の浸透率アップが期待できます。
2. 1回当たりの使用量を正確に測り指先に取る
3. 気になる部分を中心に塗布する
4. 指の腹などで頭皮全体に薬剤が浸透するように広げる
- 育毛剤の使い方
- 製品にもよりますが、育毛剤も1日2回の塗布がおすすめです。発毛剤と同様に、塗布の直前は頭皮を清潔にしましょう。また、育毛剤は、次のとおり製品タイプごとに塗布の仕方が異なります。
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製品タイプ 塗布の仕方 ノズル キャップを開けて逆さにし、1、2cm間隔で頭皮に塗布する エアゾール(スプレー) 頭皮から5〜10cm離し、気になる部分に噴射する スポイト ゴム製バルブを握り薬液を注入後、気になる箇所に少しずつたらし、指でまんべんなく広げる - いずれのタイプも、気になる箇所にきちんと薬液が浸透するように塗布しましょう。
発毛剤と育毛剤の副作用

発毛剤や育毛剤を使用すると、副作用が出る場合があります。ここでは、副作用が出た場合に備えて、実際の症状と予防法、対処法を見ていきましょう。
- 発毛剤の副作用
- 発症率は高くないものの、発毛剤を使用すると、かゆみやかぶれなどの副作用が出る可能性があります。さらに、ミノキシジルは過去に血圧を下げる薬として使用されていたこともあり、めまいや頭痛などの副作用が出ることもあるため注意しましょう。
- 実際に、平成21年に行われた厚生労働省の調査によると、ミノキシジルを5%含む外用薬を使用したときに副作用が発現した症例率は8.82%(3,072例中271例)でした。副作用が起こる確率を理解したうえで、何か異変が起きた場合は医師の診断を受けることが大切です。
- 育毛剤の副作用
- 育毛剤は医薬部外品であるため、一般的に副作用は軽いといわれています。しかし、皮膚のかゆみや腫れ、湿疹などの副作用が出る場合もあります。
- 副作用の主な要因は、体質に合わない成分を頭皮に塗布することによるアレルギー反応です。そのため、敏感肌や乾燥肌の方は、アルコール成分が少ないなど刺激が少ない育毛剤を選びましょう。
- 副作用が出た状態で使用し続けると、毛髪が抜けたり頭皮環境が悪化したりする可能性があるため、注意してください。
- 副作用を防ぐ方法
- 副作用を防ぐにはパッチテストが効果的です。パッチテストとは、皮膚に薬剤を少量塗布し、異常が発生しないかを観察するテストです。もし赤みや湿疹などが出た場合は、当該薬剤の使用で同様の症状が出る可能性があると分かるため、副作用の予防につながります。
- ミノキシジルは低用量から徐々に量を増やすと、副作用のリスクを抑えつつ効果を発揮できることが分かっています。そのため、低容量のミノキシジル液から試すことも副作用を防ぐポイントです。
- 副作用が出た場合はすぐ病院へ
- 発毛剤、育毛剤は、どちらも副作用が出る可能性があります。直接皮膚に塗布する薬剤であることから、発生率が低いとはいえ、副作用の可能性はゼロにはなりません。
- 副作用と思われる症状が出た場合、「この程度なら問題ない」と自己判断で放置するのは危険です。副作用を放置することで、症状が悪化したり、別の病気にかかったりする可能性があります。
- 副作用と思われる症状が出たときは、発毛剤や育毛剤を使い続けてはいけません。すぐに薬剤の使用を中止して皮膚科や内科を受診しましょう。
発毛剤と育毛剤を使用する際の注意点
発毛剤と育毛剤を使用する際に注意したいポイントを紹介します。特に、発毛剤を使用すると初期脱毛が起こる場合があるため、しっかり確認しておきましょう。
- 発毛剤と育毛剤を併用しない
- 育毛剤と発毛剤の併用は、副作用のリスクが高まる可能性があるため推奨されていません。発毛剤や育毛剤は、併用することで成分バランスが崩れるからです。発毛剤と育毛剤は、単体で十分な効果が得られるよう成分が調整されています。そのため、併用すると成分バランスが崩れて有効成分が十分に吸収されず、本来の効果を発揮できません。
- さらに、併用により薬剤の用法や容量も守れなくなるため、逆に頭皮環境が悪化したり、抜け毛が増えたりする場合があります。併用ではなく、それぞれの違いを理解し使い分けることが大切です。
- 初期脱毛が起きても気にしすぎない
- 発毛剤を使用し始めて「10日から1ヶ月程度」で、一気に抜け毛が増えることがあります。これは「初期脱毛」と呼ばれる現象で、薬の効果が出始めているサインです。新しい毛髪が生えてくるための過程なので、気にしすぎる必要はありません。
- 初期脱毛が起きる期間は「1ヶ月から3ヶ月程度」と個人差がありますが、初期脱毛中も発毛剤の使用を継続することが大切です。ただし、3ヶ月を過ぎても抜け毛が続く場合は、別の要因が潜んでいる可能性もあります。その際は、速やかに医師の判断を仰ぎましょう。
発毛剤と育毛剤の違いや注意点を理解して正しく使おう!
本記事では、発毛剤と育毛剤の違いに焦点を当て、それぞれの特徴や副作用、注意点について解説しました。両者は似たようなものと誤解されやすい薬剤ですが、明確な違いがあります。
新たに毛髪を生やす作用があるのは「ミノキシジル」を配合している発毛剤です。育毛剤には発毛効果がないため、今ある毛髪を育てたい際にだけ使うようにしましょう。
なお、スカルプDブランドでは、ミノキシジル国内最大濃度5%※配合の発毛剤を販売しています。最近薄毛が気になっていたり、毛髪のボリュームが減ってきたりしている方は、ぜひ検討してみてください。
※国が一般用医薬品として承認している最大濃度
- この記事の監修

アンファー株式会社
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
2015年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDをはじめアンファー商品全体の商品開発責任者として従事し、現在は新規事業企画部門責任者も兼務。
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