性欲ダウン!?ミノキシジルの使用で男性機能に問題? EDになるってホント?
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ミノキシジルで性欲が低下する、EDになる…そんな噂を聞いたことはありませんか。本当にミノキシジルで男性機能への副作用が起きて性欲が落ちるのでしょうか。より安心して薄毛治療を続けるために、ここではその噂を検証します。
- この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
2015年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDをはじめアンファー商品全体の商品開発責任者として従事し、現在は新規事業企画部門責任者も兼務。
目次
ミノキシジルで、EDや性欲が低下する噂が。本当なら対策も知りたい!
ミノキシジルで、性欲が低下する、ED(勃起不全)になるとかという「経験談」が、ネット上にはあふれています。それらの体験はどこまで信憑性があるのか、医学的に裏打ちされたものなのか。このコラムでは検証データを用いながら説明いたします。
(このコラムのポイント)
● 性欲?ED?ミノキシジルに男性機能にまつわる副作用はあるのか
● 性欲低下の原因はどこに?ミノキシジルの効果と副作用についてきちんと知ろう
● 性欲大事。デリケートな問題だからこそ、余分な心配ごとは持ち込まないようにしたい
ミノキシジルの副作用で「性欲が減退する」「EDになる」という噂はホント?
ミノキシジルを使用すると「ED(勃起不全)になる」とか、「性欲が減退する」という話、聞いたことありませんか。 デリケートな問題ですが、今回はこの件を検証しようと思います。
薄毛治療の代表的な有効成分「ミノキシジル」。臨床の現場でも使われていますし、市販されている発毛剤にも配合されています。
ミノキシジルの効果については、今さら言うまでもありませんね。血管拡張作用だけでなく、毛母細胞を刺激することから、発毛作用が認められている医療用成分です。
そのミノキシジルに本当にEDや性欲低下の副作用があるのでしょうか。
そしてもし、本当にそういう副作用があるなら、どうやって対処すればいいのでしょうか。
(※1 ある疾患に最初に投与する治療薬。一般的には有効性が高く副作用が少ない薬剤が指定される。)
性欲低下の原因はどこに?ミノキシジルの効果と副作用をもう一度
ミノキシジルがもとは高血圧症の患者様に投与する血管拡張剤(内服薬)として開発されたことはご存知ですね。その副作用として現れた体毛の増加に目をつけ、今度は発毛成分として開発されました。その発毛効果は、現在世界90ヶ国以上で認められています。
発毛治療の現場では、ミノキシジル以外に「フィナステリド(MSD社から発売されているAGA(男性型脱毛症)治療薬「プロペシア」の主成分)」「デュタステリド(GSK社から発売されているAGA治療薬「ザガーロ」の主成分)」などの成分が配合された薬も使用されますが、それらの成分には薄毛進行遅延や脱毛防止効果はあっても直接的な発毛作用はないため、薄毛治療はミノキシジル無しには考えられないほどミノキシジルは絶大の信頼を置かれ、使用されています。
- ミノキシジルの作用機序
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ミノキシジルが血管を広げることで、血流がよくなり、身体の隅々にまで血液が行き渡ります。同時に血液と一緒に運ばれる酸素や養分なども十分に行きわたるため、頭皮の新陳代謝が盛んになり、発毛や育毛が促されるというのがミノキシジルの血管拡張作用です。
そしてもう1つ。ミノキシジルが直接毛乳頭細胞を刺激することにより、その結果毛母細胞の活動が活発になり発毛を促すのです。これこそがミノキシジルが薄毛治療になくてはならない理由にもなっています。
ミノキシジルにはタブレット型の錠剤「ミノタブ」と、頭皮に直接塗る「塗りミノ」があります。
- ミノキシジルの副作用について
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ミノキシジルに限らず、薬にはどれも効果と副作用があります。また、薬のタイプによっても違います。
外用薬のミノキシジル「塗りミノ」で現在明らかになっている副作用は主に皮膚症状で、痒み、発赤、湿疹などです。
一方内服薬のミノキシジル「ミノタブ」においては動悸、不整脈、痒み、むくみなど、降圧剤の作用からくるいくつかの副作用があげられています。
これからミノタブでの治療を考えている人は、頭髪治療専門のクリニックなどで相談してみると良いでしょう。
これって性欲低下?ED?ミノキシジルの副作用の口コミについて考える
ミノキシジルの効果や副作用などの口コミは、あちこちで見かけます。
使用前、使用後の様子を写真に撮り、ネット上に公開している人も大勢いらっしゃいます。これは非常にわかりやすいですね。本人の実感だけでなく、客観的に見ることができます。
- ちょっと待って!性欲減退の口コミは客観的に検証されてる?
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副作用に関しても口コミだけでなく、湿疹や発赤の様子を公開している人もいます。その人が抱いた実感や写真に映っている現象は、嘘ではないのでしょう。ただし、それが「ミノキシジルのせいかどうか」となると話は実に微妙です。
ミノキシジル使用前、使用中、使用後をまったく同じ条件で観察し、使用していない時と比較しないと、その人起きたに現象がミノキシジルによるものかどうか、客観的な検証ができないからです。
客観的な検証ができていない以上、どんな現象も他の原因によるものや、偶然が重なって起きた反応など、あくまでも推測の域を出ないものです。また、効果も副作用も人それぞれ、体質や条件によって出方は異なります。ご自分の薄毛の原因や治療方法とあわせて、効果、副作用などのことについても、医療知識のある医師や薬剤師に相談した方が賢明でしょう。
- ミノキシジルでEDや性欲低下の副作用は出ない
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ちなみに、EDや性欲低下などについても、ミノタブにしても塗りミノにしても、確実と言える報告はありません。
国内で既にミノキシジルを配合した育毛剤を販売しているメーカーの調査でも、ミノキシジル外用薬についてそういった副作用の報告はありません。
主な副作用として、湿疹、毛包炎、接触皮膚炎が挙げられていますが、その発現率は全部で8%。副作用自体も発現率が低く、さらにEDなどの記載は見られません。
- 「ミノキシジルでEDになった!」という口コミの真相は?
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仕事で気になることがあったり、日常生活にトラブルを抱えていたりすると、なかなか「ソノ気」になれない、あるいは「ソノ気」が失せてしまうなんていうこと、ありませんか。
おそらく多くの男性に経験があると思います。
もともと、勃起だの性欲だのというのは、非常にデリケートで、ささいなことで「ソノ気」がなくなったりするもの。
EDや性欲低下について、「その日」の「その人」にミノキシジル以外の要因があったかなかったかは、なかなか検証が難しいところです。
なお、ミノタブに関するEDや性欲低下についての口コミも、決して嘘ではないと感じられます。当の本人がそう感じた以上、そういう現象があったのでしょう。ただ検証ができていない以上、それらのEDや性欲低下については「口コミ」以上の評価ができません。
性欲も守りたいなら、ミノキシジルは安心確実な入手方法で!
健康な男性なら、ある程度の性欲があり「したい」と思った時に性行為ができるものです。
とはいえ、人生のうち、多忙やストレスなどで「どうしてもそっちに気がいかない」と感じる時期があるのも当然でしょう。男性の場合、多くは仕事が原因かもしれませんね。他にも対人関係や家族の問題など、何かしら問題があるというだけで「勃起しない」「ソノ気になれない」そんな日があるのは仕方のないことでしょう。
それでも、EDや性欲低下が気になるようでしたら、一度医師に相談してみてください。
頭髪治療のクリニックで薬を処方してもらっているのであればそのクリニックで。ミノキシジル配合の薬は何種類もあります。薬を変えてもらうことでその悩みが嘘のようになくなるかもしれません。(それも結局は「思い込み」のなせる業なのですが、悩みがなくなればそれで良し、ですね)
もし、クリニックなどではなく、自身でドラッグストアなどで購入して薄毛対策をしているなら、泌尿器科の医師がいいでしょう。その際、使用している薬を告げることを忘れずに。医師が的確な判断・治療をしてくれるはずです。
前述の日本皮膚科学会による「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017」では、EDや性欲低下については触れられていませんが、ミノタブにせよ塗りミノにせよ可能性はゼロではありません。万が一の時に、「そういう話もあった」程度に、思い出せたらちょうどいいかもしれません。
また、ミノタブについては、医師の処方であれば、何か問題が起きた時に医師に相談にのってもらえますが、個人がネットで購入して使っているような場合は、もし本当に副作用がおきても、相談する相手もいません。
AGA(男性型脱毛症)、薄毛の治療は長く続けるものです。デリケートな問題ですので、できれば信用して相談できる医療機関で処方してもらう方が安心でしょう。
まとめ/人は思い込みの生き物。ミノキシジルの性欲低下の副作用が気になったら
人は思い込みの生き物です。同じ玉子焼きでも「一流の和食料理人がつくった」と聞くとやたらおいしく感じたり、「体調を整える薬だよ」と差し出されたただのキャンディーを舐めたら急に元気になったり。これを医学的には「プラシーボ効果」と言います。
薬効のない偽薬を服用して病気が治癒したり、快方に向かうことをいいますが、その正しいメカニズムはまだ解明されていません。それほどに人間の脳は複雑だということでしょう。
EDや性欲低下といったデリケートな問題も、デリケートであるが故に「なぜそうなるか」を突き止めるのは至難の業です。
私たちにできるのは「できるだけ要因とおもわれるものを排除する」ことでしょうか。
可能な限りストレスのない生活を送ることも大事でしょうし、「よくない」と聞いたことは生活から遠ざけることも必要でしょう。
その意味で、EDや性欲低下を気にするなら、長くかかる治療において、可能な限り、安全確実な選択肢を選んでおくのも心がけの一つではないでしょうか。
そもそも、薄毛でも何も気にしない人も存在するのに、薄毛治療をしている方やここを読んでいる貴方は、それだけで充分ご自身の頭髪問題を気にされているデリケートな人だと言えるのです。
これ以上、気がかりなことを増やさず、体調も精神状態も整えたうえで、気長に薄毛治療を続けてください。
- この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
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