ミノキシジル・フィナステリドの初期脱毛はやばいって本当？！原因から脱毛期間まで詳しく解説

プロペシアやフィンペシアのようなフィナステリドを成分としたAGA治療薬を服用すると、一気に抜け毛が増えることがあります。「初期脱毛」と呼ばれるこの症状、薬の効果が出るサインなので心配する必要はありません。ではなぜ初期脱毛が起こるのでしょうか？原因から仕組みまで、くわしく見ていきます。

初期脱毛は、AGA治療薬の効果が出ているしるしであることが分かりました。では、「どのくらいの期間続くのか」「必ず初期脱毛が起こるのか」など、さらに知っておきたいポイントも見ていきましょう。

抜け毛があまりに長く続く場合、初期脱毛ではなく他の原因が絡んでいる可能性があります。2か月以上脱毛が続いているなど、不安を感じる方は思い当たる原因がないかチェックしてみましょう。

炎症など頭皮の状態が悪い

炎症を起こしている・かゆみがあるなど、頭皮の状態が悪いと脱毛が続くことがあります。頭皮に炎症のある状態では、せっかく健康な髪が生まれてもキープすることができません。刺激の強いシャンプーや、治療薬の影響で炎症がおきている可能性も。頭皮にかゆみや赤みがある場合、専門医に相談してみることをおすすめします。

生活習慣が乱れている

基本的な生活習慣の乱れは、いつまでも脱毛が続く原因の1つです。睡眠不足や偏った食生活は血流や代謝を停滞させるため、健康な髪を維持するのが難しくなります。治療薬の効果を十分に発揮するためにも、バランスの良い食事・良質な睡眠・適度な運動を心がけましょう。

病気の可能性も

初期脱毛(休止期脱毛)が始まって3か月以上たっている場合は、それは初期脱毛(休止期脱毛)ではなく、ほかの病気が原因かもしれません。

脱毛する疾患には、例えば以下のようなものがあります。気になる方はクリニックの受診をおすすめします。

■甲状腺に関する疾患｜橋本病

脱毛以外にも、手脚のむくみや、思い当たる節のない体重の増加、喉の腫れなどが見られた場合は、甲状腺（喉仏付近にある組織）が炎症を起こしている可能性があります。この病気を橋本病といい、AGAとは一切関係ないため、フィナステリドを服用しても薄毛（ハゲ）は治りません。それどころか、橋本病が悪化するおそれもあるので、すぐに服用を中止して、甲状腺の治療を専門とする病院を受診しましょう。

■膠原病関連の疾患｜全身性エリテマトーデス

免疫の異常が原因でおこる病気を総称して、膠原病（こうげんびょう）といいます。女性に比べて、男性が発症する確率は統計的に少ない病気ですが、脱毛を伴う膠原病に全身性エリテマトーデスというものがあります。

全身の倦怠感や39度近くの発熱、蝶形紅斑（ちょうけいこうはん：両頬に蝶が羽を広げたような赤みが生じる）、関節の腫れ、レイノー現象（指先が白くなる）といった症状が特徴です。

詳しい原因がわかっておらず、難病に指定されている病気です。脱毛以外の症状がはっきりしているので、思い当たる場合はすぐに服用を中止して、膠原病の治療を専門とする病院を受診しましょう。

日本のクリニックでは、フィンペシアは処方されません。ドラッグストアで購入することもできないため、個人輸入するしか入手する方法がありません。
また、ミノキシジルタブレット（内服薬）は、AGA治療専門のクリニックで処方してもらうことが可能です。ただし、強い副作用のリスクがあり、併用禁忌・使用してはいけない人などの制限があります。必ず医師の診断を受け、納得の上で服用しましょう。

個人輸入のリスク

内服薬のフィンペシア・ミノキシジル（ミノタブ）を入手するために、輸入代行サイトを利用する人が多くいます。しかし、このようなサイトは偽物が出回っていることも多いのが現状です。フィンペシア・ミノキシジル（ミノタブ）を輸入できたとしても、それが本物である保証はありません。

そして何より、個人輸入で発生した副作用は国から補償を受けることができません。
適切に薬を使用したにもかかわらず、入院するほどの副作用の被害にあった場合「副作用被害救済制度」と呼ばれる制度にのっとり、治療費の補償を受けることができます。
しかし、この制度が適用されるのは日本国内で認められた医薬品のみであり、海外から個人輸入した医薬品は適用外です。。

海外の医薬品と日本の医薬品では、安全性の審査が異なるため、安全性が確認できません。よって、個人輸入で取り寄せた薬を飲んで健康被害が発生しても、副作用被害救済制度による保証を受けられないのです。
以上のことを考慮すると、個人輸入でフィンペシアやミノキシジル（ミノタブ）を入手して、使用するべきではありません。

リスクを回避するためにもクリニックへ行こう

安いという理由で、個人輸入でフィンペシアやミノキシジル（ミノタブ）を入手し、服用しようと考える人もいます。しかし、そのまま飲み続けて良いのか不安になり、結局はAGA専門のクリニックを受診する人がほとんどです。
AGAの治療薬は医師の指導のもと使用するべきものです。リスクを避けるためにも、最初からクリニックへ行き、国内での使用が認められたAGA治療薬の処方を受けましょう。

世の中には、たくさんの種類のAGA治療薬があります。そのため、AGAで使用される治療薬のなかで、どの薬が国内で認められているのかを知っておいて損はありません。

日本で承認されている治療薬

プロペシア錠（フィナステリド）
ザガーロカプセル（デュタステリド）
フィナステリド錠1mg（ファイザー・サワイ・トーワなど）
ミノキシジル配合の外用薬

このとおり、フィンペシアは含まれていないので注意してください。また、ミノキシジルは外用薬のみOTCとして承認されています。ミノキシジルタブレット通称「ミノタブ」と呼ばれる内服薬は、日本では承認されていません。

AGA治療で初期脱毛を目の当たりにし、驚かれる方も多くいます。不安から使用を止めるのではなく、脱毛期間や抜け毛の量について正しく理解し、安心して続けることが大切です。
また、承認されていない治療薬を使用することは、とてもリスクの高い行為です。安易に個人輸入などで入手した薬を使用することは避けましょう。
安心してAGA治療を進めるために、専門のクリニックを活用することをおすすめします。