ミノキシジル使用中の副作用とのアルコール摂取に要注意!
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ミノキシジルと副作用と、アルコールの関係について探ります。ミノキシジル使用中の飲酒は問題がないのでしょうか。そもそもアルコールが髪に与える影響ってどんなものなのでしょう。特にミノタブ服用者に読んでいただきたいコラムです。
- この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
2015年にアンファー株式会社に転職。
スカルプDをはじめアンファー商品全体の商品開発責任者として従事し、現在は新規事業企画部門責任者も兼務。
目次
アルコールが髪に及ぼす影響は? ミノキシジル使用中の飲酒は大丈夫?
ミノキシジル使用中、副作用やアルコールの摂取は問題ないのでしょうか?
「百薬の長」とも言われるお酒。でも過度の飲酒は体によくありません。そもそも飲酒と髪に因果関係はあるのでしょうか。また、薄毛治療中の飲酒は髪に影響があるのでしょうか。
ここでは、アルコールと髪、そしてミノキシジルとの関係を紐解いていきましょう。
(このコラムのポイント)
● ミノキシジルの効果、副作用についてアルコール前におさらい。
● ミノキシジル服用中でなくても、副作用とアルコールの効用について知ろう
● ミノキシジルと副作用、そしてアルコールが髪に与える影響。
● ミノキシジルなどの薄毛治療中も、アルコールと上手につきあおう
ミノキシジル使用中のアルコールは大丈夫?副作用は?
はじめに質問です。貴方はアルコールはお好きですか?
アルコールを飲まない人、付き合いで仕方なくコップ一杯くらい口をつける人。ビールよりコーラを選ぶ人。そういう人にはこのコラムは他人事になるかと思います。知識を蓄えるつもりで読んでくださいね。
アルコールの好きな人。毎晩晩酌して飲み会にも積極的に参加する人。そういう人には大事な話です。説教くさいなどと思わずしっかり読んでください。
さて、アルコール好きの薄毛の皆さん、せっかくミノキシジルを使って薄毛治療を続けようとしているのに、お酒との付き合い方を考えなければいけないのは気持ちが下がりますね。本当は副作用だって気になります。
でも、長く続く薄毛治療だからこそ、身体に過度な負担をかけないようにしないと、薄毛治療をしたが故に健康を害してしまったということにもなりかねません。
1つだけ覚えておいてください。
「ミノキシジルとアルコールの同時摂取は絶対NG!」 その理由をこれから説明します。
ミノキシジルの効果、副作用についてアルコール前におさらい。
今や薄毛治療に欠かせない医薬品成分、ミノキシジル。
その効果は、大きく2つ。血管拡張作用と毛母細胞への働きかけです。
もとは高血圧症治療のための降圧剤として処方されていたというミノキシジルの、本来の薬効は血管を広げ血圧を下げること。現在も降圧剤としての効能・効果はあります。
そして毛母細胞に働きかけて発毛を促すこと。
これはミノキシジルにだけ認められる薬効です。薄毛治療の現場では他にも「デュタステリド(GSK社から販売されている、ザガーロの主成分)」「フィナステリド(MSD社から販売されているプロペシアなどの主成分)」という成分の配合された薬が使われますが、こちらは抜け毛防止という働きはあるものの、発毛に直接作用することはありません。
発毛という事象にダイレクトに効くのはミノキシジルだけです。
- ミノキシジルには内服薬と外用薬がある
-
ミノキシジルにはタブレット型の内服薬「ミノタブ」と、頭皮に薬剤を塗布するタイプの外用薬「塗りミノ」があります。ミノタブは薬局やドラッグストア、一般の病院でも取り扱いがないため、入手するには医師の処方からの直接の投薬しかありません。
手軽さから考えると、薬局、ドラッグストアで誰でも購入できる塗りミノをお勧めしますが、「どうしてもミノタブで薄毛治療がしたい」という人は、ミノタブを取り扱っている専門のクリニック等を調べる必要があるでしょう。
- ミノキシジルの副作用について
-
塗りミノの副作用は、痒み・発疹・発赤などの皮膚症状が確認されています。ですが、いずれも軽症で、本格的に治療を必要とするような重篤なものはありません。さほど心配しなくても良さそうです。
市販されている発毛剤のメーカーが出しているデータには、副作用についての記載もありますので、気になる方は検索してみるのもいいかもしれません。
ミノタブの副作用については、動悸、むくみ、血圧低下などが言われていますが、受診して処方を受けているクリニックの医師の指導を守って服用するのであれば、それほど心配するものでもありません。しかし万が一、服用して体調に異変を感じたりした場合は、必ずクリニックに相談するようにしましょう。
ミノキシジル服用中でなくても、副作用とアルコールの効用について知ろう
「酒は百薬の長」「酒は憂(うれ)いの玉箒(たまぼうき)」などという、お酒好きを後押ししてくれる言葉を聞くと嬉しくなりますね。
アルコールは適量飲酒を守れば、決して身体に悪いものではありません。
● 血行改善(アルコールの血管拡張作用により血流がよくなる)
● ストレスの緩和
● コミュニケーションの円滑化(高揚感が高まり陽気になる)
など、飲酒によるプラスの作用は見逃せません。
でも、飲みすぎて翌日身体がしんどい、頭痛がする、という二日酔いを経験したことのある人もいるはずです。アルコールは適量を守って飲めばともかく、飲みすぎるとかえって身体に悪い影響を与えてしまいます。
アルコールの適量っていったいどのくらいを言うのでしょう。
これには厚生労働省が発表している「健康日本21」(※1)の中に参考になる数字が出ています。
――節度ある適度な飲酒として1日平均純アルコールで約20グラム程度。――
(※1参考|厚生労働省「健康日本21」アルコール)
一応の指針として数値が示されていますが、もちろん個人差がありますし、同じ人でも日によって体調も違いますから、この数字がすべて、というわけではありません。念のため。
お酒の種類 | ビール (中瓶1本500ml) |
清酒 (1合180ml) |
ウイスキー・ブランデー (ダブル60ml) |
焼酎(35度) (1合180ml) |
ワイン (1杯120ml) |
アルコール度数 | 5% | 15% | 43% | 35% | 12% |
純アルコール量 | 20g | 22g | 20g | 50g | 12g |
(引用 |「厚労省の健康日本21 」)
これによるとアルコール度数5%のビールだと1日ロング缶1本が適量だということです。アルコール度数35度の焼酎の場合は1合も飲めないことになります。
いかがですか。貴方にとってこの数字は多いですか。少ないでしょうか。
ミノキシジルと副作用、そしてアルコールが髪に与える影響。
適量飲酒さえ心がければ、アルコールは人体に何ら問題はありません。
ただ、多くの人がなかなか「適量」飲酒ができないことに問題があります。
泥酔とまではいかなくても、多くの人が前出の表以上の量を1日に飲んでいませんか。
- アルコールの良い面と悪い面とは
-
アルコールにも「良い面」「悪い面」があります。
「良い面」は先ほども述べましたが、陽気になって周りの人とコミュニケーションが円滑に取れる、ストレスの軽減などが挙げられます。
一方「悪い面」もいくつかあるのですが、ここでは特に髪に関係することを取り上げます。
肝臓への負担増と睡眠の質の低下が挙げられます。
アルコールは肝臓で代謝されます。代謝されてアセトアルデヒドという物質に変わり、その後無害な酢酸に変わり、体外へ排出されます。肝臓はアルコールを分解する間、通常行う糖分の貯蔵ができません。アルコールの分解が終わったら今度は糖分の貯蔵を、と休む間もなく働くことは肝臓へのダメージになります。
- 肝臓はアルコールだけではなく薬成分も分解する場所
-
肝臓が分解するのはアルコールだけではありません。体内に入った薬成分も肝臓で分解されますから、あまり肝臓を働かせすぎると肝機能低下につながります。
そしてもう1点、アルコールは睡眠の質を低下させます。
飲んだ夜、寝入る時にはスッと入眠するものの、数時間で目が覚めてしまったという経験はありませんか。沢山のアルコールを摂取するとレム睡眠が減少して深い眠りが増加します。寝付きは良くなりますが、睡眠の後半に交感神経の活動が高まって睡眠の持続性が低下します。
睡眠の質の低下により深い眠りができないと、成長ホルモンが分泌されません。成長ホルモンは新陳代謝のコントロールや身体の抵抗力などに大きな役割を持っています。そして髪にとっても栄養分です。この成長ホルモンが分泌されないと髪が元気に育ちません。
また、アルコールが酢酸に分解される時に「シスチン」を必要とします。この「シスチン」はアミノ酸の一種で、毛をつくる丈夫なたんぱく質の成分です。コシのある髪をつくるには欠かせないのです。シスチンが不足すると良質な髪はできません。
以上のように、健康のためには適量飲酒は良いでしょうが、髪のことだけを考えるなら、できるだけアルコールは控える方が良いのです。
ミノキシジルとアルコールの関係は?
ミノキシジルとアルコールの関係も、実はあまりよくありません。
ミノキシジルにもアルコールにも血管拡張作用があります。両方を一緒に摂取すると、血圧が下がり過ぎる可能性があります。血圧の過剰な低下は動悸やめまい、頭痛などを引き起こします。
医師に処方された内服薬であるミノタブを飲んでいる人は、とにかく一緒に飲まないこと。これが鉄則です。
また、飲酒で体内のシスチンを消費すると、髪にまでシスチンが行き渡らず、髪の健康によくありません。
それでも適量のお酒を楽しみながら、できるだけストレスの少ない薄毛治療を続けたいものですね。
そのために、いくつかの提案をしようと思います。
まとめ/アルコールとミノキシジルと副作用とは、上手につきあおう
ミノキシジル内服薬の使用者においては、肝臓への負担を考えるとあまり飲酒はお勧めできません。
それでも、飲みたい貴方、次のことに気をつけてみてください。
- 1.ミノキシジルとアルコールの同時摂取さける
- ミノタブを処方されているなら、そちらは朝服用するようにしてください。お酒を飲むのは夜だと思われるので、摂取時間をできるだけ空けることで肝臓への負担を少しでも軽減しましょう。
- 2.休肝日を設ける
- 休肝日をつくって肝臓を労わってください。一度服用を始めたミノキシジルを途中で止めるのは愚かなことです。ひと休みするならお酒のほうを。
- 3.飲みすぎない。適量飲酒を忘れずに
- 飲みすぎて肝臓に大きな負担がかからないようにしましょう。アルコールの分解にシスチンを消費されては髪にまでシスチンが行き渡りません。
- 4.ミノタブから塗りミノへの変更も考える
-
外用薬は塗り薬ですので、効果も副作用も局所的です。
外用薬のミノキシジルであれば、アルコールとの関係はほとんど気にすることはないでしょう。
細かなことを気にせず薄毛治療をしたい人には、塗りミノが向いているかもしれません。
お酒も楽しみながら薄毛治療も着々と進めたい。そんな気持ちは、ある程度の節制あってこそ実現します。
あまり窮屈に考えず、それでもできることは試みて前に進みましょう。
- この記事の監修
医薬開発研究課 課長/毛髪診断士
長内 尚(おさない ひさし)
早稲田大学理工学部応用化学科および早稲田大学院先進理工学部応用化学研究科を卒業後、大手化粧品メーカーに入社。
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